骨盤の歪みで下半身太りに見える理由|脂肪より「向き」を整える順番

骨盤の歪みで下半身太りに見える理由のアイキャッチ。窓辺に立つ女性と見出し

下半身だけ太く見える原因は、脂肪の量ではなく骨盤の「向き」かもしれません。骨盤の骨どうしはほとんど動きませんが、全体が前・後ろ・左右にどう傾いているかは変わります。

向きが変わると、よく使う筋肉と使わない筋肉が分かれ、同じ体重でも太く見える位置だけが増えます。整える順番は、向きを変える → 支える力を入れる → 生活の癖を1つ変える、です。

こんにちは。西新宿で骨格デザイン整体SHINを営んでいる、骨格デザイントレーナーの瀧本銀次朗です。

「上半身は普通なのに、下半身だけ太く見える」「体重は増えていないのに、パンツのサイズだけ上がった」。下半身の悩みは、体重の数字と一致しないことが多いのが特徴です。

先に結論をお伝えすると、いわゆる「骨盤の歪み」の多くは、骨のズレではなく骨盤全体の向きの話です。向きを保っている使い方がそのままだと、ストレッチやマッサージで一時的に軽くなっても、立って歩くうちに元の形へ戻りやすくなります。この記事では、3つのタイプの見分け方と、整える順番を解説します。

何から変えればよいか迷ったら。西新宿の骨格デザイン整体SHINでは、初回体験で、骨格・呼吸・食事のどこが遠回りになっているかをご一緒に確認しています。

「骨盤の歪み」は骨のズレではなく向きの変化

変わるのは骨の位置ではなく、骨盤全体が前後左右にどう傾いているかです。

骨盤は、左右の寛骨と、その間にある仙骨でできています。寛骨と仙骨をつなぐ仙腸関節が動く量は、ごくわずかです。なぜなら、この関節は面どうしががっちりかみ合い、強い靱帯で固められているからです。動きを三次元で調べた研究をまとめたシステマティックレビューでも、仙腸関節の動きは「ごくわずかな回転と移動」に限られると報告されています(出典1)。日常生活で骨が「ズレる」ような構造にはなっていません。

では何が変わるのか。骨盤全体の「向き」です。前に倒れているか、後ろに倒れているか、左右どちらかにねじれているか。日常で「骨盤の歪み」と呼ばれているものの多くは、この向きの話だと考えてください。

この区別が大事なのは、対策が変わるからです。向きの問題なら、その向きを保っている筋肉の使い方が変わらないかぎり、施術台の上で変えても立ち上がれば戻りやすくなります。

骨盤の向きで下半身太りに見える2つの理由

筋肉の使い方の偏りと、むくみの上乗せで、太く見える位置だけが増えるためです。

使う筋肉と使わない筋肉が分かれる

骨盤は、脚の骨がはまっている土台です。土台の角度が変われば、その下にある脚の骨の向きも一緒に変わります。すると、よく使われる筋肉と、ほとんど使われない筋肉がはっきり分かれます。

使われる側は張って太く見えやすくなり、使われない側はしぼみやすくなります。結果として全体の脂肪量は変わっていないのに、太く見える位置だけが増える。これが、体重と見た目がずれる理由です。

夕方のむくみが見た目に上乗せされる

骨盤まわりは血管とリンパの通り道です。向きが崩れて股関節の前側が詰まると、脚から戻る流れが滞りやすくなります。夕方になると靴がきつい、という方は、脂肪ではなく水分の滞りが上乗せされている場合があります。

下半身太りに見える骨盤の3タイプ|前傾・後傾・ねじれ

前傾は前もも、後傾はお尻の下、ねじれは片側だけが太く見えやすくなります。

骨盤の前傾・後傾・ねじれの3タイプと、太く見えやすい場所の図解
※画像はイメージです

向きの崩れ方は、大きく3つに分かれます。太って見える場所が違うので、鏡で確認すれば見当がつきます。

タイプ骨盤の向き太く見えやすい場所よくある訴え
前傾前に倒れている前もも・外もも脚が張る、立っていると腰が疲れる
後傾後ろに倒れているお尻の下・裏ももお尻が平らで四角く見える
ねじれ左右どちらかが前に出ている片側だけの外もも・ふくらはぎスカートが同じ方向に回る、靴底の減り方が左右で違う

前傾タイプは前ももと外ももが張る

骨盤が前に倒れると、上半身が前に落ちないように前ももで踏ん張る形になります。毎日その状態で立って歩けば、前ももは発達します。脚が太いのではなく、前ももだけが働きすぎている状態です。

このタイプは反り腰と重なります。背景や全体像は反り腰でぽっこりお腹が出る原因にまとめました。お腹の出方が気になる方は40代で下腹だけ痩せない理由もあわせてどうぞ。

後傾タイプはお尻が落ちて脚が短く見える

骨盤が後ろに倒れると、お尻の筋肉が引き伸ばされたまま働きにくくなります。丸みが消えて平らになり、お尻と裏ももの境目がぼやけます。脚の長さは変わっていないのに、脚が短く見えるのはこのタイプです。

デスクワークで浅く腰かける時間が長い方に多く見られます。そのまま「良い姿勢」を意識して背中だけ起こすと、腰に負担が集まりやすくなります。

ねじれタイプは片側だけ太く見える

脚を組む、片側に体重をかけて立つ、片方の肩にバッグをかける。こうした左右差のある習慣が長く続くと、骨盤の左右で前後の位置に差が出ます。

サインは身の回りに出ます。スカートがいつも同じ方向に回る、靴底の減り方が左右で違う、ズボンの裾の長さが揃わない。どれも、自分では気づきにくい左右差を外から教えてくれるものです。

その崩れは、努力の量ではなく「順番」の問題かもしれません。

骨格の歪み・浅い呼吸・栄養不足。この3つを正しい順番で整えるのが、SHINの骨格デザイン整体です。激しい運動はありません。

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壁を使った1分のセルフチェックで向きを確かめる

壁に背をつけ、腰のすき間に手のひらが何枚入るかで、向きの見当がつきます。

壁にかかと・お尻・背中・頭をつけて立ち、腰のすき間に手のひらを入れて骨盤の向きを確かめる女性
※画像はイメージです

かかと・お尻・背中・後頭部を壁につけて立ちます。腰と壁のすき間に、手のひらを差し込んでみてください。

  • 手のひらが余裕で入り、こぶしも入りそう:前傾タイプの可能性。
  • 手のひらがほとんど入らない:後傾タイプの可能性。
  • 左右で腰のすき間の広さが違う、片側だけ壁から浮く:ねじれの可能性。
  • 手のひら1枚ぶんがすっと入る:向きとしては整っている目安です。

あわせて、靴を4〜5足並べてソールの減り方を見てください。外側だけ、かかとの内側だけ、左右で減り方が違う。立ち方と歩き方の癖が、いちばん正直に出る場所です。判断がつかない場合も、無理に自己分類しなくて構いません。

下半身太り対策で遠回りになりやすい4つのこと

どれも悪くはありませんが、向きを保っている原因に触れないため戻りやすくなります。

やりがちなこと起きやすいこと先にやりたいこと
前ももを重点的にストレッチするその場は伸びるが、立てばまた張る骨盤の向きを変えてから伸ばす
スクワットの回数を増やす前傾のまま負荷が増え、前ももがさらに育つ向きを整えてからフォームを決める
骨盤ベルトで締める着けているあいだだけ安定する自分で支える筋肉を働かせる
「骨盤矯正」で一度に変えようとする施術直後は変わるが、生活の癖で戻る座り方・立ち方を1つ変えて定着させる

共通するのは、向きを保っている原因に触れていない点です。筋トレが悪いのではなく、順番の問題です。同じ考え方を上半身の例で書いた猫背と筋トレの順番についての記事もあわせてどうぞ。

骨盤の向きを整えて戻りにくくする3つのステップ

向きを変える、支えるスイッチを入れる、生活の癖を1つ変える、の順番です。

ステップ1:引っぱる筋肉をゆるめる

前傾なら前ももと腰まわり、後傾ならもも裏が、今の向きを引っぱっています。ここをゆるめて、骨盤が動ける幅をつくります。

ステップ2:呼吸で支えるスイッチを入れる

息を吐いて肋骨が下りると、お腹の深い層が働き、骨盤が立ちやすくなります。呼吸と骨盤はつながっています。詳しくは呼吸が浅いとくびれが消える理由をどうぞ。

ステップ3:生活の癖を1つだけ変える

脚を組まない、座るとき坐骨を座面に当てる、立つとき片脚に体重を預けない。全部やろうとすると続かないので、1つに絞ります。

この順番を飛ばしてステップ3だけ意識しても、身体が元の向きに引っぱられているうちは長続きしにくいものです。ステップ1と2で引っぱる力を弱めてから、3に取りかかります。

骨格デザイン整体SHINの現場で見ていること

体重よりも、立ち方・座り方の癖が下半身の見え方を左右している方が多い傾向です。

私はこの仕事に15年以上携わり、のべ15,000件以上のセッションを担当してきました。NSCA-CSCS・NSCA-CPTの資格を持ち、アスリートやパフォーマーの身体づくりにも関わってきました。その中で見えてきたのは、下半身の太さを気にしている方ほど、脂肪を減らすことに力を注ぎ、骨盤の向きや日々の立ち方には目が向いていない傾向があるということです。

下半身の悩みでいらした方には、まず横向きと後ろからの写真を撮っていただきます。ご自身の骨盤がどちらに倒れているかを、言葉ではなく画像で見てもらうためです。ここで納得される方が多く、そのあとの説明がぐっと早くなります。

そのうえで、タイプに合わせて向きを変え、支える使い方をお伝えします。全身のつながりとしての考え方は40代からのボディラインは「骨格の順番」で変わるに、初回で行うことは骨格デザイン整体の初回体験で行うことにまとめています。プログラムの内容は骨格デザインプログラムのページでご案内しています。

なお、脚のしびれ、片側だけの強い痛み、痛みで歩きにくいといった症状がある場合は、体型のことより先に医療機関でご確認ください。整体は医療行為ではありません。

出典・参考資料

  1. Goode A, Hegedus EJ, Sizer P, et al. "Three-dimensional movements of the sacroiliac joint: a systematic review of the literature and assessment of clinical utility."(Journal of Manual & Manipulative Therapy・2008年)PubMed

骨盤の歪みと下半身太りのよくある質問

骨盤の歪みと下半身太りについての疑問に、一問一答でお答えします。

骨盤の歪みは一度で整えられますか

その場で向きを変えることはできますが、保っているのは日々の使い方なので、一度で終わりにはなりません。変化の定着には、生活の癖がどれだけ長く続いたかが関係します。感じ方には個人差があります。

自分がどのタイプか分かりません

前傾と後傾が混ざっている方や、ねじれが重なっている方もいます。壁立ちで判断がつかない場合は、無理に自己分類しなくて構いません。初回体験では写真で確認しながらお伝えしています。

骨盤ベルトは使わないほうがいいですか

使ってはいけないものではありません。産後など、支えが必要な時期には役立ちます。ただ、着けているあいだだけ安定するものなので、自分で支える力を育てる取り組みと分けて考えてください。

ストレッチだけで下半身は変わりますか

張っている筋肉をゆるめる効果はあります。ただ、骨盤の向きが元に戻れば、同じ筋肉がまた張ります。ゆるめたあとに向きを変え、支える使い方を入れると、戻りにくくなります。

脚やせのマッサージは続けたほうがいいですか

やめる必要はありません。むくみが取れて軽くなる実感があるなら、それ自体に価値があります。ただ、太く見える原因が向きにある場合、マッサージだけでは形は変わりにくいとお伝えしています。

骨盤の左右差は誰にでもありますか

まったく左右対称な方はほとんどいません。問題になるのは、差があること自体ではなく、差が大きくて見た目や動きに出ているかどうかです。気にしすぎる必要はありません。

まとめ

下半身太りに見える原因は、脂肪の量より骨盤の向きにあることが少なくありません。

  • 骨盤の骨どうしの関節はほとんど動きません。変わるのは骨盤全体の「向き」です。
  • 向きが変わると、よく使う筋肉と使わない筋肉が分かれ、同じ体重でも太く見える位置だけが増えます。
  • タイプは前傾(前もも・外もも)、後傾(お尻の下・裏もも)、ねじれ(片側だけ)の3つ。壁立ちと靴底の減り方で見当がつきます。
  • ストレッチ・スクワット・ベルトが遠回りになりやすいのは、向きを保っている原因に触れていないからです。
  • 順番は向きを変える → 支えるスイッチを入れる → 生活の癖を1つ変える。癖は全部ではなく1つに絞ります。
  • しびれや片側だけの強い痛みがある場合は、先に医療機関でご確認ください。

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監修者

瀧本 銀次朗(骨格デザイントレーナー)

骨格デザイン整体SHIN代表。NSCA-CSCS・NSCA-CPT。業界歴15年以上、のべ15,000件以上のセッション実績。アスリート、アーティスト、俳優、ダンサーなど300名以上のプロフェッショナルのコンディショニングを担当。

※整体は医療行為ではありません。痛み・しびれ・急な体重変化などがある場合は、医療機関を受診してください。

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