季節の変わり目に眠れない・だるい経営者へ|自律神経が乱れる仕組みと身体から整える方法

夏の暑さがようやく引いたのに、なぜか寝つけない。朝起きても身体が重く、日中もだるさが抜けない。この時期、経営者の方からこうしたお悩みが一気に増えます。「疲れているはずなのに眠れない」というのは、気合いや根性の話ではありません。季節の変わり目に眠れない・だるいのには、身体の側にはっきりした理由があります。

私はパーソナルトレーナー兼オーナーとして15年以上、のべ15,000件を超える身体と向き合い、300名以上のトップアスリートの回復の現場も見てきました。前職では人事責任者として、季節の変わり目に人の稼働が落ちる様子も数多く見ています。その両方の視点から、教科書的な睡眠論ではなく、現場の実感でお話しします。

季節の変わり目に眠れない・だるいのはなぜか

気温と気圧の急な変化に身体を合わせようと自律神経が働きすぎ、休息への切り替えが遅れるためです。

季節の変わり目は、一日の寒暖差が大きく、気圧も不安定です。私たちの身体は、体温を一定に保とうと自律神経をフル稼働させて対応します。この時期は日中ずっと「調整」に追われているため、夜になっても興奮を担う交感神経が下がりきらず、休息を担う副交感神経へうまく切り替わりません。その結果、布団に入っても頭が冴える、眠りが浅い、朝だるいという状態が起きます。眠れないのは意志の弱さではなく、身体が変化に対応しきれずに疲れているサインだと私は捉えています。

気温差が自律神経をどう乱すのか

体温調整の負担が続くと交感神経が優位のまま固定され、深部体温が夜に下がりにくくなります。

人は眠りに入るとき、身体の内部の温度、つまり深部体温を少し下げることで休息モードへ入ります。ところが寒暖差の大きい時期は、この温度調整に一日中エネルギーを使い、夜になっても身体がうまく熱を逃がせません。深部体温が下がらないまま横になるので、寝つけない、途中で目が覚めるという形で出てきます。この深部体温のリズムについては眠りが浅い経営者へ|「深部体温リズム」を味方につける夜の整え方で詳しく書いていますので、あわせて読んでみてください。

なぜ経営者は季節の変わり目に弱いのか

もともと緊張が抜けにくい経営者の身体は、季節の負担が加わると許容量を超えやすいからです。

責任の重い判断を続ける人ほど、日常的に交感神経が優位で、身体の緊張がベースで高いままです。そこへ季節の変わり目という外からの負担が乗ると、自律神経の許容量をあっさり超えてしまいます。前職で組織を見ていたとき、この時期に体調を崩す人には共通点がありました。真面目で、休むより頑張ることを選ぶ人ほど倒れる。経営者はまさにこのタイプです。トップアスリートは逆で、忙しい時期ほど意識して回復に時間を割きます。強い人ほど休むのが上手い。この差が、季節の変わり目の耐性を分けています。慢性的な緊張と睡眠の関係は自律神経の乱れと睡眠|整えるためにできることも参考になります。

あるIT企業の経営者の方は、毎年9月から10月にかけて決まって眠りが浅くなり、日中の判断が鈍ると悩んでいました。話を聞くと、季節の変わり目こそ気を張って乗り切ろうと、睡眠時間を削って前倒しで仕事を詰め込んでいた。これは逆効果です。負担が増える時期に回復を削れば、自律神経はさらに追い込まれます。日中の過ごし方を見直し、身体の緊張をゆるめる時間を先に確保したところ、翌シーズンは崩れ方がずいぶん軽くなりました。頑張る時期を間違えないことが、この季節の鍵になります。

眠れないまま働き続けると何が起きるか

浅い睡眠が続くと疲労が回復されず、判断の精度と気力が少しずつ落ちていきます。

睡眠は、その日に使った身体と頭を回復させる時間です。季節の変わり目の浅い眠りが数日続くと、回復が追いつかず疲労が積み重なります。厄介なのは、この疲労が「なんとなくだるい」「集中が続かない」という曖昧な形で出るため、多くの経営者が気合いでごまかしてしまう点です。回復されないまま重い判断を下し続けることが、どれだけ経営に響くか。私はこの時期の睡眠を、季節をやり過ごすための我慢ではなく、パフォーマンスを守るための投資として捉えることをおすすめしています。個人差はありますが、無理を重ねた身体が自然に整うことはまずありません。

身体から整える、季節の変わり目の過ごし方

眠りを直接コントロールしようとせず、日中の体温調整と身体の緊張をゆるめるのが先です。

眠ろう眠ろうと意識するほど交感神経は下がりません。私が現場で伝えているのは順番です。夜に眠りを頑張るのではなく、日中に自律神経の負担を減らしておく。具体的には、朝に一度しっかり日の光を浴びて体内時計をそろえる、日中に軽く身体を動かして体温にメリハリをつける、寒暖差に備えて服装で温度を細かく調整する。この積み重ねが、夜の切り替えを助けます。そして寝る前は、熱すぎない湯船で一度身体を温めてから緩やかに冷ます。深部体温を下げる流れを、外から後押ししてやるわけです。眠りそのものを追いかけるより、眠れる身体の条件を昼のうちに整えておく。この発想の転換が効きます。

なお、季節に関係なく数週間以上眠れない状態が続く、気分の落ち込みが強い、日中の眠気で生活に支障が出るといった場合は、自律神経の一時的な乱れではないこともあります。無理をせず、睡眠外来や心療内科などの医療機関を受診してください。

季節の変わり目の睡眠に関するよくある質問

Q. 眠れないので早めに布団に入るようにしていますが、正しいですか?

A. 眠くないのに長く布団にいると、かえって「布団=眠れない場所」という結びつきが強くなります。眠気が来てから横になる方が、切り替えはスムーズです。それより日中の過ごし方を整える方が、結果として寝つきは良くなります。

Q. 季節の変わり目のだるさに、栄養やサプリは役立ちますか?

A. 食事が乱れがちな時期に土台を補う意味はあります。ただしサプリは不足を補うものであって、乱れた自律神経そのものを整える薬ではありません。効果には個人差があります。まず睡眠と身体の状態を整えた上で、足りない部分を補う順番で考えてください。

Q. 忙しくて運動の時間がとれません。それでもできることは?

A. まとまった運動でなくて構いません。朝に外の光を浴びて数分歩く、昼に階段を使う、それだけでも体温と自律神経にメリハリが生まれます。忙しい人ほど、生活の動作の中に体温を動かす機会を混ぜる発想が現実的です。

まとめ

季節の変わり目に眠れない・だるいのは、寒暖差に身体を合わせようと自律神経が働きすぎ、夜の切り替えが遅れるからです。だから夜に眠りを頑張っても解決しません。昼のうちに自律神経の負担を減らし、緊張した身体をゆるめておく。順番を変えるだけで、この時期の眠りは変わっていきます。

とはいえ、慢性的に緊張が抜けない身体は、生活習慣の工夫だけでは変えきれないこともあります。毎年この時期に決まって崩れる、自分の力では緊張がゆるまないと感じた方は、骨格デザイン整体SHINのコンディショニングプログラムで、あなたの身体のどこに緊張が溜まっているのかを一度確認してみてください。整体で緊張をゆるめるところから、休める身体をつくるところまでを一か所で組み立てていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です