寝返りが打てない・少ない経営者へ|眠りが浅い人に共通する身体の硬さと、取り戻す整え方

「朝、寝た位置とほとんど同じ格好で目が覚める」「一晩中同じ姿勢で、起きると背中や腰がバキバキだ」。経営者の方の睡眠の相談を受けていて、私が必ず確認するのが寝返りです。時間は取っている、早く布団にも入っている、それでも疲れが抜けない。そういう方の多くが、夜のあいだほとんど寝返りを打っていません。私はパーソナルトレーナーとして15年、15,000件を超える身体を現場で見てきました。300名以上のトップアスリートを預かってきた経験からも言い切れます。寝返りは寝相の良し悪しではなく、その人の身体が動ける状態にあるかどうかの答え合わせです。

寝返りが少ないと、なぜ眠りが浅くなるのか

寝返りは血流と体圧を一晩中分散させる働きで、これが減ると同じ場所が圧迫され続け、眠りが浅くなります。

寝返りには意味があります。人は一晩に20回から30回ほど、無意識に身体の向きを変えている。これは寝相が悪いのではなく、身体を守るための正常な機能です。ずっと同じ姿勢でいると、体重がかかる一点の血流が滞り、筋肉が固まり、関節が同じ角度で圧され続ける。それを避けるために、脳は眠りながら身体の向きを入れ替えているのです。

寝返りがうまく打てないと、この分散ができない。同じ場所が一晩中圧迫され、朝起きたときに背中や腰、肩が固まっている。さらに厄介なのは、打ちたくても打てない身体は、寝返りのたびに深い眠りから浅い眠りへ引き上げられてしまうことです。スムーズに寝返れる人は、眠りを浅くせずに向きを変えられる。打てない人は、そのたびに軽く目覚めへ近づく。時間は寝ているのに休まらない、の正体のひとつがこれです。

原因は寝具ではなく、胸郭・肩甲骨・股関節の硬さ

寝返りが打てない主因はマットレスより、胸郭や肩甲骨、股関節が硬く、身体をひとつに回せないことです。

寝返りが打てないと聞くと、多くの人はまず枕やマットレスを疑います。もちろん極端に合わない寝具は問題ですが、現場で身体を触ってきた実感として、寝具を変えても寝返りが戻らない人が非常に多い。理由は身体の側にあるからです。

寝返りは、腕の力で「よいしょ」と身体を転がす動きではありません。本来は、上半身と下半身が背骨を軸になめらかに連動して回る動きです。ここで効いてくるのが胸郭、つまり肋骨まわりの動きと、肩甲骨、そして股関節の可動性です。デスクワークが長い経営者の身体は、この三か所がまず固まる。胸郭が硬いと上半身がひとかたまりの板のようになり、ねじれない。肩甲骨が張りついていると腕を送り出せない。股関節が硬いと骨盤から下が回らない。結果、寝返りに全身を持ち上げて動かす大きな力が必要になり、眠っている身体にはそれができない。だから動かないのです。

教科書的には「良い寝具で寝ましょう」で話が終わりがちです。私はそこに、現場からはっきり異を唱えます。寝具は受け皿にすぎない。回れる身体でなければ、どんなマットレスの上でも人は固まって眠ります。まず変えるべきは、身体の中の硬さの方です。

寝返りの少なさは、翌日のパフォーマンスに跳ね返る

回復しきらない眠りは日中の集中と判断を鈍らせ、経営者の一日の生産性を根元から下げます。

睡眠は経営者にとって、その日一日の意思決定の原資です。深い眠りが削られれば、翌朝の頭の重さ、午前中の立ち上がりの遅さ、午後の集中の切れやすさとして、そのまま表に出てきます。本人は「年齢のせい」「忙しいから仕方ない」と流しますが、身体が回れずに眠りが浅くなっているだけ、というケースは本当に多い。

私は人事の責任者として、たくさんの人の稼働とコンディションを見てきました。睡眠の質が落ちている人は、能力があってもその日の出力が明らかに落ちる。経営者であれば、その一日の判断の質が組織全体を左右します。夜に身体が回復できる状態をつくることは、健康法である以前に、あなたの持ち時間の質を守る投資です。身体の緊張と回復の関係については、経営者の睡眠の質を上げる方法|判断力と稼働を守る実践ガイドでも詳しく整理しています。

寝返りを取り戻すために、順番として何をするか

枕を替える前に、胸郭・肩甲骨・股関節をゆるめ、背骨を軸に上下半身が連動して回る状態を取り戻します。

やることの順番は決まっています。第一に、日中に固まった胸郭と肩甲骨まわりをゆるめ、上半身がねじれる状態を取り戻す。第二に、股関節の可動域を広げ、骨盤から下が回るようにする。第三に、その二つがつながって、背骨を軸に身体全体がひとつの動きとして回る感覚を身体に入れ直す。ここまで整うと、寝返りは力を使わない小さな動きに戻り、眠りを浅くせずに向きを変えられるようになっていきます。

寝る前に胸を開くように大きく呼吸する、股関節をゆっくり回す。この程度でも、固まりきっていない人なら変化は出ます。ただ、長年のデスクワークで三か所ともしっかり固まっている場合、自分でゆるめるには限界がある。私が整体で固まりを解き、トレーニングで回れる身体を定着させるところまで一貫して見るのは、この順番を確実に進めるためです。姿勢の崩れと睡眠の関係は、猫背・反り腰が睡眠を妨げる理由|背骨と骨盤から整えるにもまとめています。

なお、大きないびきや、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある場合は、身体の硬さとは別に医療機関での検査が必要なことがあります。その際は専門の医療機関を優先してください。効果や変化の出方には個人差があります。

寝返り・睡眠に関するよくある質問

寝返りは多い方がいいのですか?

極端に動き回るのは別の原因もありますが、一般には一晩に20〜30回ほど、力まず自然に向きを変えられる状態が理想です。少なすぎて同じ姿勢のまま朝を迎える方が、身体が固まっているサインとして問題になりやすいと考えています。

高いマットレスに変えれば寝返りは打てるようになりますか?

極端に合わない寝具は見直す価値があります。ただ、胸郭や股関節が固まったままでは、寝具を替えても寝返りは戻りにくいのが現場での実感です。回れる身体づくりの方を先に考えることをおすすめします。効果には個人差があります。

寝返りが少ないと腰や背中が痛くなるのはなぜですか?

同じ姿勢で一晩中体圧がかかり続け、その一点の筋肉と関節が固まるためです。向きを変えられれば圧が分散されます。痛みが強い、しびれるといった場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

まとめ

寝返りが打てない、少ないのは、寝相でも気合いの問題でもありません。胸郭・肩甲骨・股関節が固まって、身体を軸から回せなくなっているからです。だから枕を替えても戻らない。回れる身体を取り戻せば、眠りは深いところで休まるようになっていきます。

時間は取っているのに疲れが抜けない、いろいろ試したが眠りが浅いままだと感じる方は、一度、身体の状態から見直してみてください。西新宿の整体SHINでは、私が整体とトレーニングの両面から、あなたの身体が夜に回復できる状態づくりをお手伝いします。

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